ゲーム批評ブログ

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For The King というゲーム

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 面白いゲームである。

 フォーザキングというゲームの共通のフレームがあり、いくつかのシナリオを選んで遊べるゲームである。ランダム生成なフリーマップでランダムにイベントが起こり、ランダムなダイスロールに依って進めるゲームなので、とても飽きにくい。一期一会感は強い。

 大枠も細かい部分も俺からは語るべくもない。大衆に認められし完成度のボードゲームRPGである。興味がわいたならプレイしてみても損はないと思われる。

特筆すべき点

 そのうえで、このゲームの特筆すべき点は、RPGの冒険そのものの特に面白い部分だけを煮詰めたようなプレイ感覚を得られるところだと思う。作り手が、どこがどう面白いか、あるいは別に面白くない、いらない時間はどこにあるか、などを丁寧に考えて調整されているように感じるのだ。たとえば、無駄に歩かされるだけのダンジョン、おつかいクエストや、イベントのスイッチであるNPCの探索、ランダムエンカウントからの雑魚敵とのノールックボタン連打戦闘などは、このゲームには存在しない。終盤のプレイヤー側が完成した状況を除けば、敵との戦闘は、すべてが激戦である。楽な戦いなど、ない。逆に言えば、クッキークリッカー的な積み上げや稼ぎもできない。あるいは、旧来のジャパンRPG的なレベッアップをしこしこやるのが好き、という人には向いてないゲームなのかもしれない。なにしろ最大レベルが14で、レベル11位でそのシナリオはクリアできるような速度感なのである。ワクワクしながら新しくPTを組んで、できるだけ敵を選んで戦いをこなしつつ、ダンジョンを踏破し、クエストを進行させ、災厄やカオスに注意を払いながら探索の旅を続けるうちに、あっという間に時間が過ぎている。まさに、息を継ぐ間もない怒涛の展開である。(インフレについていけない場合は死にます)

 ゲームというのは、キツいからこそ裏腹に喜びがあり、基本的に理不尽かつ不親切で過酷な戦いの連続であるからこそ、無傷の一勝や思いがけぬ拾い物をうれしく感じるのである。このゲームでは、ダーケストダンジョンなどと同じく、その振れ幅ギリギリのゾーンに長く浸っていられるゲームである。これ以上の賛辞は不要だろう。

おすすめの遊び方はLP9

 俺の実際のプレイ経験について語ろう。

 俺はイージーで二回ほどシナリオ(フォーザキング、ウィンターストーム)をクリアしたら、もうイージーは楽すぎる、余裕がありすぎる、と思いノーマルの深海に手を付けた。そこから、かなり苦戦した。初期ライフポイントが3なのだが、これだとハードラックが2~3回あれば沈んでしまうのである。そのまま挑戦を続けてみたものの、通用せず。俺には厳しいなあと思って設定をいじることにした。(設定がいじれるところも、いいゲーム)

 LPは9にした。これでちょうどよかった。ハードラックがあっても、立ち直ることはできる。LPがあるからと言って楽になるわけではない。数時間かけてやってきたPTが一瞬で崩壊して、ボツに終わる目が消えるだけである。それは、ちょっときついよなあ、と思う人にはぜひおすすめしたい遊び方である。

 

2024/04/22追記の攻略情報

 この追記を、フォーザキングは運ゲの糞ゲー、理不尽尽くしの時間の無駄だと考えてノーマルまでいかずに断念しまったすべてのプレイヤーに捧げます。

 ※DLC・ハードモードはやっていません。

 

 あれからもまだしばらく、俺はフォーザキングをやっている。通算で60時間くらいプレイした。今では難易度ノーマルでも、それなりに余裕をもってクリアできるようになった。

 糞事故一発水の泡が嫌なのでいまだに初期ライフは9でやっている。ノーマルデフォルト設定のライフ3は、細かいHPリソース保護アイテムの重要性や、中だるみ防止の緊張感の維持のために必要なのだと理解ができた。非効率なHP回復と、ライフロストするリスクの駆け引きを楽しむ余地があるゲームということである。

 それはさておき、このゲームのガチな攻略情報を記載していこうと思う。

 時間がないプレイヤーのために端的に言えば

『フィールドでは時間経過に抗い、バトルでは消耗を避けること』である。

 具体的な各論にいこう。

 第一に優先すべきは時間である。時間はフィールドで稼ぐ。無為なターン経過なく、敵を倒し、探索してクエストやイベントをこなし、街で買い物をしなくてはならない。

 初心者の頃の俺はそれがわかっていなかったので時間を失うことのコストを理解できていなかった。足踏みターンもよくやっていた。ターンがまわってきたキャラが何もせずにその場でターン終了するアレである。たいていは、戦闘可能ゾーンに仲間が入ってくるのを待ったり、宿屋での回復や買い物、毒や呪いのフィールドを無効装備のキャラで踏破させようと足踏みさせていたのだ。これらがトータルで見ると大損になるゲーム性だと理解していかなければ、脱初心者はできない。

 このゲームでは時間経過で敵は強くなり物品はインフレしていく。先に行けば行くほどリカバリーが難しくなる。逆に、早くアクセスすれば相乗的に有利になっていく。そのため、一般的なセオリーに沿った(時間以外の)リソースの保護は、間違っているケースが多い。

 たとえば3人バトルではHPというリソースは保護できるが、3人が戦闘可能エリアにそろわなくてはいけない。そのために時間を失うなら、2人で攻撃した場合と比べて、どっちが得かを考えて選択しなければならない。

 負うものがHPリスクだけなら、序盤ならば攻撃しておけば良いだろう、と俺は思う。しかし、このゲームではあきらかに厄介な敵がいるので注意が必要である。単純に強かったり、武器や物品のロストがあったり、こっち側でメタれているのか、などと様々な要素があって面白いのである。そこにフォーカスを使った奇襲での分断や、アイテムでの回復といったオプションも考慮して、時間とのトレードオフをしていくゲームなのだ。すべてはトレードオフになる。たとえばAが宿屋に行って戻ってくるまで敵キャンプの前でB,Cが合計4ターン待つ必要があるなら、その計画は捨てたほうがよいだろう。お金は節約できるが、ターンをロスしている。その立ち回りは損だと思うからである。状況にもよるが、たいがいはターンのほうを優先すべきだ。

 だからして、タイムリソースを保護できるアイテムも重要になってくる。使いどきを考える必要もでてくる。キャンプを例にすると、キャンプは9ターンはその場に残って連チャンで使える。その特性から、ダンジョン入り前、出てからの二段活用、そこからのバトルという展開がうまい。かまされたキャラだけが回復して、HPが残ったキャラがアタックしにいけば無駄がない。(メイソウでフォーカスを全回復できる後ろ盾があるならば多判定高火力技をフォーカスで強引にホームランすることもオプションとして選択できる。ウォームルビーありの3ランならば災厄のボスをも1ターンキルできたりする)

 こうしてタイムロストを食い止める意識をもってみると、必然性がよくわからなかったアイテムが時間経過に抗うためのものだったのだと気づく。ポータルの巻物はいわずもがな、テレポートもダンジョンや船を使えば疑似ポータルにはなる。踊りイラクサや金色の葉は移動力として、1ターン追加してもらえるようなものだし、視界の巻物は(石像やダンジョン、聖域やクエスト目標などの)探索を一瞬で終わらせてくれる数ターンの短縮アイテムである。数値を少し改善してくれる防具よりはこちらを優先するほうが結果がよくなるように思う。船を上位互換することで移動力もあがることを、お忘れなく。

 ついでバトルだ。当然のことながら、バトルで勝たなければ明日はない。レベリングと戦利品なしに戦力の底上げは不可能だ。しかし、勝ったところで辛勝、激戦ではリターンが不釣り合いなので、枯渇してしまう。この世界にはポケモンセンター的なほどこしはない。いかにして、楽に勝っていくかを考えなければならないゲームである。そうして3対3で戦うよりも3対1を3回やるほうが良く、HP130のトロールを一体相手するよりは、HPが15のカラス3体を相手するほうが望ましい。そこらへんは経験であるが、このゲーム、バトルで消耗しないためのテクニックがいくつかある。重要な順に並べると、キャラの速度>武器>目標の見極め=フォーカスタイミング=アイテム使用という感じだと思う。それぞれについて軽く語っていく。

 なによりも速度だ。速度が75を超えてくると先制できるようになる。2人がそのラインを超えると、未行動の敵を一体処理できるようになる。コレがでかい、と俺は考える。(だから狩人、学者は固定で使っている)しかし、いくら早くても仕留められない=攻撃力が低ければ意味もなくなる。だから武器も重要なのだ。武器の入手には運要素もあるが、連携で一体を処理できるくらいの数値は確保したい。性能にも色々あるが、貫通やショック、全体攻撃は腐らないと思う。やけど、速度ダウンは全体にばらまけるなら役に立ちやすい。反面、出血や冷気、スタン、リセットは対ボス用の能力なのかな、というイメージがある。(成功率が低いため成功させるためにフォーカスが必要なスタンやリセット技を使わなければならないほどの相手と戦うこと自体を避けるべきなのではないか、という考えにもとづく)

 攻撃目標については、厄介な連中の知識のことだ。戦わずに済むなら、できるだけ戦いたくない敵でもある。しかし戦闘になったなら、最初にたたいておくほうがいい。たとえば、デバフがうっとうしい酸性の塊系やゼリー全般、とにもかくにも爆発するサル、高火力の大砲持ち、武器を食うヤドカリなどだ。船を乗り捨てない=温存するなら航海中に敵船と戦うのもおすすめしない。船ダメージの回復はコストが高い。船体への攻撃はキャラへのダメージが低い、ということも一切ない。受け損である。

 バトルでのフォーカスについては、装備品が揃っていないキャラの数値が低い序盤にこそ、使うべきタイミングが多いように思える。たとえば、反撃が来る直前に85%の乱数から1フォーカスで確実に殺せますよ、という場面なら俺は使う。2連撃で確殺でも使うかもしれない。強い敵の攻撃の一発二発でカミノトイキ一回分(HP15)が吹っ飛ぶので、防ぐために使う、という感じだ。

 アイテム使用については、戦闘用アイテムは好きな時に使えばいいが、ほかのよくわからんアイテムについては回復せずになんとかやりすごして死亡を避けつつ、キャラ間のHP調整をすることに意義があるのかな、と考えている。そうして、できるだけヒーラーのカミノトイキやキャンプで全体回復したり、宿までもたせることを目的とする。ライフが少ないほど重要視される部分だろう。死亡リスクと天秤にかけるものが、回復コストだけではなく、中間択として学者の薬草でレベルアップ、混乱無効装備からのラム酒蜂蜜酒、武器の特殊技などがあるのだ。

 最後に、PT構成について書く。各種パラメーター参照のイベントから良い結果を出すためには、力、感知力、知能のそれぞれに特化したジョブがいるほうがいい、と俺は思う。(才能系ジョブのジェスター、吟遊詩人は総合的にあんま強くねえな、と考えて除外している。よくわかりません)

 力役は、DLCジョブを除けば、速度が遅いので移動や戦闘を考えると微妙なのだが、完全に削ってしまうと一部のイベントのコストがあがってしまってきついな、と感じたので、俺は常に選ぶようにしている。今は、モンク、狩人、学者の組み合わせで安定している。

 狩人、学者はとにかく高速アタッカーの数値強者のため採用。モンクは、最初は弱いように感じていた。数値では力も知力もほかに劣り、ヒーラー欲しさなら薬草医のほうが早い。しかし、狩人、学者というPTに加える場合だと、力役になって、ヒーラー持ち、コンバーターが意外に強い(ゲーム内ではきちんと説明されないのだが、フォーカスゼロの味方がいて、モンクが敵撃破 or クリティカル攻撃時に100%発動する仕様である。三番打者になるモンクは敵を撃破しやすく、仲間が1フォーカス攻撃を多用できるようになる)、速度がほかの力役よりもすこしだけ高い等の理由でぴったりはまるのだ。

 器用貧乏と紹介されがちな世捨て人も、あらゆるイベントにそれなりに対応できる、速度70の高速アタッカーと考えて運用すればアリであった。やはりというか数値不足、スキルがないので一味足りず、フォーカス不足の面はあるが、使えないわけではなかった。つまるところ、すべてはトレードオフであり、いろいろと試してみる過程にこそ面白みがあるのだと思う。

 

Factory Town というゲーム

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 俺には面白いゲームだった。だが万人受けは難しいだろう。

 

概要

 本質的な面白さは、自分自身でこの世界にイノベーションを起こし、その発展を目撃できる喜びにあると思う。解決すべき課題があり、そのための方法論を自分で編み出して、試行錯誤して達成していく、その仮定をこそ、楽しむというゲームということだ。

 まあ少し想像してみて欲しい。あなたは何もない原野を前にして、採集・加工・運搬・消費のサプライチェーン(物流)システムを自分で構築し、効率化と自動化を進めていかなければならない。どこから手を付けてもいい。いくら遅まきになったとしても、何も失われるものはない。自分のペースでやればいい。資材用の倉庫を各所に作ってもいいし、新しい部門や消費網をゼロから作り直してもいい。そのかたわらで発生するエラーを潰しながら破壊と創造を繰り返して新しい時代の到来を自分で作り出していくわけだ。大橋で海を横断したり、キャラバン隊を組んでもいい。鉄道も船もあるが、使わなくたって問題はない。すべて自由だ。こう聞いて、多少でも興味があるなら試してみても損はないように思えるが、どうだろうか?

感想

 全般的な操作方法やゲーム内の概念がわからない序盤は、これはクソゲーをつかんでしまったなと落胆しがちであると思うが、最初だけなのでどうか安心してほしい。すぐに満タンになるインベントリから出庫させ、偏った供給を是正し、荷積みと荷下ろしで混雑して停滞するワーカーの群れを整頓しているときに、なんか、めんどくせえだけのゲームなんじゃないか、と考えたのは自分だけではないと知っておいてください。そこから、だんだんと、ぐぐーんと面白くなってくるのだから、ゲームというのは、本当に素晴らしいものである。

 俺の場合は、シュートで採集した物資を加工所に送り、建物同士をベルトコンベアで直接連係した位から、だんだんと面白くなってきた。倉庫、市場を新設して物流を改善させ、 線路を置いて定期配送。ベルトコンベアーと木箱をつないで長距離輸送。井戸からも無人で水が供給できるし、パイプで各家にも送ることもできるじゃねーか、はたまたキャラバンのインベントリにフィルターをかけてタスクを複数もたせたり、と、学ぶべきことは多く、どんどん止まらなくなってくる。考えた通りにいかなくて、オイィという事もあって削除もするのだが(主に高低差の問題)、そういう着想と挑戦は、決して無駄にはならない。資源もすべて返ってくるのでご安心あれ。

 

おすすめの遊び方

 キャンペーンの1をまずはクリアし、そのあとにすぐカスタムモードでフリーマップをやってもいいんじゃねえのかな、と思います。そのフリーマップをキリのいいところまでやったら(飽きたら)また、キャンペーンに戻っていく、という形です。

 勝手がわかった状態でゼロから作り上げる楽しさを味わうためにフリーマップ、新しい概念を学ぶためにキャンペーンという気分転換を目的にした二本刀です。(ほぼすべての事柄に当てはまるのでしょうが、知識前提の自由活動においては、勉強→応用→実践のサイクルをくるくる回していかなければいけないので、できるだけ苦にならないように取り組んでいくほうが楽しめるものだと思います)

Book of Demons というゲーム

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 総合的には楽しんでプレイできたと思うが、ストレスを感じる部分もあった。

 オススメできるポイントは多いが明確な弱点も持っている印象のゲームである。一つ言えることは難易度カジュアルは混じりっけなしに、ぬるすぎるのでオススメしない、ということである。やっていて作業感が強くなりすぎたため、途中で難易度ノーマルに変更して、やり直したのだが、やはり、そちらの方が正解ルートだったようである。断然、面白くなった。キツいからこそ判断が必要になるポイントが増える⇒考えるべき事柄が増える⇒面白くなる、という流れだろう。

 オススメポイント

 ゲームシステム、インターフェースは独特で面白く思えた。日本語未対応だが、雰囲気でなんとなくイケる設計のシンプルさ。ビルド、収集、ダンジョン潜りという要素が好きなら買いだと思われる。難易度ノーマルでも、ちょうどいいキツさだった。リソース配分、ビルド組みに悩む楽しさが十二分に味わえる。めんどくせえなあ、という状況に対するカウンターカードがきちんと存在している。(ただし、そのカードが必ず入手できるわけではない)steam版のセール価格は相当安い。

 弱点ポイント

 steam版は日本語未対応。シナリオが終わらないとフリープレイが解禁されない。寄り道不可の一本道。単調。ぶっ続けでやるような中毒性はない。敵の無敵時間がうっとうしい。

 解説

 つまるところ、弱点ポイントが気にならないなら、買い、ということだと思う。

 英語は嫌な人、情報の収集にいくらかでも制約を受けることが我慢できない人、その部分で消費されるコストをお金で解決できるなら、お金を払いますと考える人は、steam版では購入しないほうがいい。チュートリアルから思いっきり英語まみれだから。俺もなんとなく分かるからいいっしょ、で読み飛ばしまくっていたんだけれども、毒はHPゲージが点滅したら押せば治癒しますよ、詠唱キャンセルできます、とか、そういう知らないと一方的に損をする情報を逃していたことがあとになって判明したので、英語不得意であるがゆえの無駄は覚悟しなくてはならない。

 次に、シナリオが終わらないと自由に探索ができない点。これはどういうことかというと、フリーマップみたいなものがないので周回プレイができない。シナリオラスボス(デーモン)を打倒すればフリープレイが解禁されて完全に自由に冒険できるのだが、それまでは入手できるリソースには上限がある、ということである。なので、最初っから、ハクスラ探検で満足いく物を探したいタイプの人なんかは、肩すかしを食らうかもしれない。それでも、ゲームクリアした後になってみれば、この縛りこそが楽しさの源泉になっていたようにも思えた。すなわち、好き勝手に探索できてどんどん強くなる必要があるほどの敵が、それほど現れないし、不十分であるからこそのプレイにこそ、面白さは宿っている節があるからである。(個人的には、壁があるからこそ、強くなる意義がわいてくる、と思っていてフリープレイを周回すれば加速度的に強くなれるのだが、同時にむなしさも感じてしまうのである)難易度が調節されたローグライトなダンジョンクロウラーをクリアしたあとで、さあどうぞ、とご褒美的に探索ができる、と考えるべきなのかもしれない。もしもフリープレイが解禁されていたら、全体的にヌルゲーになっていただろう。そうなると、次の項目にも関わってくるのだが、このゲームの単調さと相まって、つまらないゲームになってしまったのかもしれない。メタル部屋が解禁されるのはゲームクリア後のほうがいいのではないか、というのと同じ理屈である。

 そして、さきほども言ってしまったのだが、このゲーム、内容は単調である。ビルドを組むところや道具の切り替えの判断などには頭を使うが、実戦でやることは限られている。ドラクエのコマンドひとつひとつに表現されている内容を、クリックで一つずつこなしていくような感覚である。コツコツ歩いて行って、敵にカーソルを合わせてピシピシ攻撃、やばそうなら戻ったり、道具を使ったり、回復するターンに当てたりして、ドロップや宝箱をクリックして、スキルを発動させて、・・・という感じだ。これがめんどくせえ所だし醍醐味でもあるのだが、ずぅぅーっと同じことをやっていかなければならないので、このゲームのひとつの限界ではあると思う。一つアドバイスできるなら、マップの大まかなトレジャーを回収できたなら完全クリアは目指さなくてもよい、ということである。あの、光点で表示される取りこぼしについては、大体がカスみたいなものなので無視して次に進んだ方が可処分快感時間的には望ましいと思う(一つのゲームで飽きずに楽しんでやれる総プレイ時間は限られているという前提に立って、どこまでそのポテンシャルを引き出せるかを考えた際、やらなくても構わないことには注力しないほうがよいと考えている)敵もいなくなった何もないダンジョンの端から端までポツポツ歩いて割り忘れたツボを壊しにいく時間があるなら、次の階に向かったほうがいい。

 また、ボス敵の無敵時間がうっとうしい。これについてはフォローの余地もない仕様なので、そういうものだと我慢するしかない。

 

最後に、当初は英語が分からなくて知らず、後になって発見した仕様である。

 ダブったマジック以上のレアリティのカードはルーンに変更できる。

 ルーン自体もアップグレードや売却が可能。

 鍵のかかった詠唱を除けば、敵の詠唱をクリックし続けることでキャンセルできる。

 

ibb & obb というゲーム

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 二人協力プレイ専用のゲームである。

 小学生低学年位の子供(6歳以上推奨)と遊ぶのにちょうどいいゲームである。

 操作方法は、ジャンプと十字移動のみ。重力の反転や位置エネルギー、二段ジャンプなどのアクションくらいしか要求されないし、謎解きはそれほど難しくはない。

 シンプルさが売りのゲームだと思う。音の使い方、色使い、背景、ギミックなどに余計なものがない。全体的にうるさくない、と言えばいいか。最近のゲームは情報過多な部分があると思うので、小さな変化や細かい演出でも十分に楽しめる子供には、これぐらいの乱雑さで十分なように思えてしまう。

 注意することと言えば、親が熱中しすぎて、うまくプレイできなかった子供を叱責しないようにすることくらいであろう。

 リスポーンが滅茶苦茶早いのも嬉しいポイントである。

Katamari Damacy REROLL というゲーム

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 面白いゲームである。

 この「塊魂リロール」は2004年に発売した初代「塊魂」というゲームをリマスターして2018年に発売されたゲームということであった。

 まあリマスターという英語の意味はよくわからないのだが、20年前にこの世界に放たれた塊魂という概念がどういうものかは、塊魂初心者の俺にもよくわかった。すなわち、これが本物の天才が作った本物のゲームなのだ、ということである。塊魂リロールは、ゲーム体験の根源的な楽しさを与えてくれるゲームであった。

 そのゲーム内容と言えば、塊を転がしてだんだん大きくしていく、だけである。しかしそこに、とてもカジュアルだがローグライトな口当たりがあり、プレイヤーの好奇心、挑戦心、克己心を刺激しつつ、きちんと満たしてくれるような工夫が随所にあるように思えた。一番印象に残っているのはステージ終盤のウォォォォォォォ!!という爽快感だろう。半端じゃない。

 とはいえ一応アクションゲームである。しかし、心配はしなくていい。

 操作方法については最初にチュートリアルがあるのだが、基本的には覚えなくても大丈夫である。俺は方向転換と前進しか使えないが、それで十分なのだ。玉を転がして食えるものを見つけて食っていけばいい。そうして、どこまで大きくなれるのか、ワクワクしながら転がし続けていればいい。

 とにかく、セール時との価格の落差がすごいのでセール時を狙うしかない。 

最強でんでん というゲーム

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 最近、やっている。なかなか見所が多いゲームである。作り込みのレベルがすごいというか、教養を感じるというか。毎日の暇つぶしにちょうどいいゲームである。

 しかし、ヒトはなぜ、ソシャゲを欲するのか。客観的にみれば、ソシャゲは、ただただ、むなしいだけなのに。現実と結びつくことは決してありえない電子的な虚飾が、サービス終了まで連綿と続いていくだけの無意味な事象でしかないのに。なんでなんだろう。なればこそ、飽きて、疎ましさが勝れば、すぐにでもログインしなくなる。そうして、いつ永眠してもおかしくはないアカウント上の資源の収集に、どうして今、一喜一憂しなくてはいけないんだろうか。やったからと言って、人生においては一ミリのバタフライ的なエフェクトさえ起こさないデイクエストを達成する必要なんてどこにあるっていうんだろう。あるわけないだろう。そんなこと。

 そう。そうなんだよ。だけど、ひるがえってみれば、すなわち、俺たち、凡人の人生だって、そんなもんじゃないかなってことなんだよ。この広大な現実世界に対して、一体何をできるんだって。何が変えられるんだって、思うことばかりで、目の前にあることすべては、大抵が、どうだっていい些末なことの積み重ねばかり。俺たちは結局無力なんだよな。ウクライナやガザで今、起きていることを知ったり、知ることさえかなわぬであろう多くの悲哀に満ちた現実世界の惨状を前にしても、ただただ、手を合わせるだけで、何もできずに人生を終えていくだけの存在じゃないか、と。

 それでも、実際そうなんだろうけど、だけど、それで終わらせるわけにはいかない。あらがわなければならない。諦めたらそこで試合終了ですよ。俺は世の中全体を構成する砂粒のひとつ、一要素でしかないんだけれども、その一要素として、自分が望むような世の中にしてほしい、と願い、近づけるための意志を持たなければならないわけだ。気持ちがなければ何事もなしえない。努力をしなければならないんだ。アルコールや麻薬に頼るわけでもなく、自分自身を鼓舞し、克己しなければならないわけだ。たとえ、無理で無謀な戦いだと頭で分かっていたって、取り組み続ける姿勢をとり続けなくちゃならないんだ。

 そのために、ソシャゲがあるわけだ!!

 ソシャゲは現実世界の概念的なメタファーなんだよ!

 そりゃあ上には上がいて、下には下がいる。自分が居ても居なくても、何一つ変わらない。すべてが筋書通りの世界だ。やればやっただけの何かは得られるが、道は果てしなく、収穫物はより少ない。けれども、そうやって、コツコツ、シコシコ、その概念的なメタファーにおいて、勤勉に、物語性に則って、与えられた役割を、善を為していくことで、自分という人間を自分でだましだまし生きていく、生き抜いていく力を得るわけだ。そうやって現実にも、うまずたゆまず、付き合っていくしかないんだ、と自分を納得させる手助けをしてもらうわけだ。

 つまるところ、ヒトが宗教に求めていた、共感ボックス的な帰属感、物語性、日課、タスクなんかを与えてくれる物がソシャゲってことなんじゃないのかな。

 まとめるとfireHD10 plusでプレイしてますが動作は快調ですってこと。課金はしなくても楽しめるゲームです。 

Monster Train というゲーム

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面白いゲームである。

 

日本語化MOD導入推奨

 公式ではないが日本語化MODがあり、大変便利であった。これがなければ、どうなっていたのか、よくわからない。なんとかなるだろjkで始めたところ、全然、英語がわからなかったのである。

https://wikiwiki.jp/monstertrain/MOD

ゲーム内容

 ローグライトなデッキビルドゲームである。列車を盤面にしてユニットを配置、ターン制でダメージ精算を繰り返して、ウェーブ最後に現れるボスとのデスマッチを制せばステージクリア、というシンプル設計のスライザスパイア派生系列のゲームである。

 メイン、サブのクランを選んで、それらのカードプールからシナジーを発見していく、という流れは3ミニッツヒーローに似ている。シンプルで、とっつきやすいがゆえに飽きやすいという欠点が緩衝されている。

3 Minute Heroesというゲーム - ゲーム批評ブログ

 

セールスポイント

 特筆すべきところは、一回のプレイ時間が短い所だろう。完走まで30分~1時間くらいである。こうした気軽さは、社会人ゲーマーには非常にありがたい。隙間時間にやる。1プレイだけやる、という選択肢が夜更かしの予防にもなる。

 また、短いながらも押さえるべき所は押さえていて無駄な部分がない。ランダム性があり、コンボの作成、カードの複製、カードの削除など、選択肢は常に提示されている。

 

感想

 このゲーム、どちらかというと緻密さは不要である。オーバーキルで雑魚をなぎ倒す喜び。そしてボスを削りきるための布陣を作る過程、および、その前段階のランダム性を楽しむゲームである。これが全体的にバカゲーのノリがあって楽しいのだ。

 個人的に好きなチャンピオンは、ウンブラとリトルフェイドである。何をか、と考えるのさえ面倒なローグライトパチンカーにはお勧めである。ただ暴れているだけで勝手に育っていって運がよければボスまで打倒しうるからである。無論、細かいテクを扱えるチャンピオンも他にいるのでテクニカルなプレイヤーも、ご安心あれ、と太鼓判を押せるデキである。色々な楽しみ方がある。いいゲームである。