ゲーム批評ブログ

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Factory Town というゲーム

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 俺には面白いゲームだった。だが万人受けは難しいだろう。

 

概要

 本質的な面白さは、自分自身でこの世界にイノベーションを起こし、その発展を目撃できる喜びにあると思う。解決すべき課題があり、そのための方法論を自分で編み出して、試行錯誤して達成していく、その仮定をこそ、楽しむというゲームということだ。

 まあ少し想像してみて欲しい。あなたは何もない原野を前にして、採集・加工・運搬・消費のサプライチェーン(物流)システムを自分で構築し、効率化と自動化を進めていかなければならない。どこから手を付けてもいい。いくら遅まきになったとしても、何も失われるものはない。自分のペースでやればいい。資材用の倉庫を各所に作ってもいいし、新しい部門や消費網をゼロから作り直してもいい。そのかたわらで発生するエラーを潰しながら破壊と創造を繰り返して新しい時代の到来を自分で作り出していくわけだ。大橋で海を横断したり、キャラバン隊を組んでもいい。鉄道も船もあるが、使わなくたって問題はない。すべて自由だ。こう聞いて、多少でも興味があるなら試してみても損はないように思えるが、どうだろうか?

感想

 全般的な操作方法やゲーム内の概念がわからない序盤は、これはクソゲーをつかんでしまったなと落胆しがちであると思うが、最初だけなのでどうか安心してほしい。すぐに満タンになるインベントリから出庫させ、偏った供給を是正し、荷積みと荷下ろしで混雑して停滞するワーカーの群れを整頓しているときに、なんか、めんどくせえだけのゲームなんじゃないか、と考えたのは自分だけではないと知っておいてください。そこから、だんだんと、ぐぐーんと面白くなってくるのだから、ゲームというのは、本当に素晴らしいものである。

 俺の場合は、シュートで採集した物資を加工所に送り、建物同士をベルトコンベアで直接連係した位から、だんだんと面白くなってきた。倉庫、市場を新設して物流を改善させ、 線路を置いて定期配送。ベルトコンベアーと木箱をつないで長距離輸送。井戸からも無人で水が供給できるし、パイプで各家にも送ることもできるじゃねーか、はたまたキャラバンのインベントリにフィルターをかけてタスクを複数もたせたり、と、学ぶべきことは多く、どんどん止まらなくなってくる。考えた通りにいかなくて、オイィという事もあって削除もするのだが(主に高低差の問題)、そういう着想と挑戦は、決して無駄にはならない。資源もすべて返ってくるのでご安心あれ。

 

おすすめの遊び方

 キャンペーンの1をまずはクリアし、そのあとにすぐカスタムモードでフリーマップをやってもいいんじゃねえのかな、と思います。そのフリーマップをキリのいいところまでやったら(飽きたら)また、キャンペーンに戻っていく、という形です。

 勝手がわかった状態でゼロから作り上げる楽しさを味わうためにフリーマップ、新しい概念を学ぶためにキャンペーンという気分転換を目的にした二本刀です。(ほぼすべての事柄に当てはまるのでしょうが、知識前提の自由活動においては、勉強→応用→実践のサイクルをくるくる回していかなければいけないので、できるだけ苦にならないように取り組んでいくほうが楽しめるものだと思います)