ゲーム批評ブログ

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Book of Demons というゲーム

store.steampowered.com

 総合的には楽しんでプレイできたと思うが、ストレスを感じる部分もあった。

 オススメできるポイントは多いが明確な弱点も持っている印象のゲームである。一つ言えることは難易度カジュアルは混じりっけなしに、ぬるすぎるのでオススメしない、ということである。やっていて作業感が強くなりすぎたため、途中で難易度ノーマルに変更して、やり直したのだが、やはり、そちらの方が正解ルートだったようである。断然、面白くなった。キツいからこそ判断が必要になるポイントが増える⇒考えるべき事柄が増える⇒面白くなる、という流れだろう。

 オススメポイント

 ゲームシステム、インターフェースは独特で面白く思えた。日本語未対応だが、雰囲気でなんとなくイケる設計のシンプルさ。ビルド、収集、ダンジョン潜りという要素が好きなら買いだと思われる。難易度ノーマルでも、ちょうどいいキツさだった。リソース配分、ビルド組みに悩む楽しさが十二分に味わえる。めんどくせえなあ、という状況に対するカウンターカードがきちんと存在している。(ただし、そのカードが必ず入手できるわけではない)steam版のセール価格は相当安い。

 弱点ポイント

 steam版は日本語未対応。シナリオが終わらないとフリープレイが解禁されない。寄り道不可の一本道。単調。ぶっ続けでやるような中毒性はない。敵の無敵時間がうっとうしい。

 解説

 つまるところ、弱点ポイントが気にならないなら、買い、ということだと思う。

 英語は嫌な人、情報の収集にいくらかでも制約を受けることが我慢できない人、その部分で消費されるコストをお金で解決できるなら、お金を払いますと考える人は、steam版では購入しないほうがいい。チュートリアルから思いっきり英語まみれだから。俺もなんとなく分かるからいいっしょ、で読み飛ばしまくっていたんだけれども、毒はHPゲージが点滅したら押せば治癒しますよ、詠唱キャンセルできます、とか、そういう知らないと一方的に損をする情報を逃していたことがあとになって判明したので、英語不得意であるがゆえの無駄は覚悟しなくてはならない。

 次に、シナリオが終わらないと自由に探索ができない点。これはどういうことかというと、フリーマップみたいなものがないので周回プレイができない。シナリオラスボス(デーモン)を打倒すればフリープレイが解禁されて完全に自由に冒険できるのだが、それまでは入手できるリソースには上限がある、ということである。なので、最初っから、ハクスラ探検で満足いく物を探したいタイプの人なんかは、肩すかしを食らうかもしれない。それでも、ゲームクリアした後になってみれば、この縛りこそが楽しさの源泉になっていたようにも思えた。すなわち、好き勝手に探索できてどんどん強くなる必要があるほどの敵が、それほど現れないし、不十分であるからこそのプレイにこそ、面白さは宿っている節があるからである。(個人的には、壁があるからこそ、強くなる意義がわいてくる、と思っていてフリープレイを周回すれば加速度的に強くなれるのだが、同時にむなしさも感じてしまうのである)難易度が調節されたローグライトなダンジョンクロウラーをクリアしたあとで、さあどうぞ、とご褒美的に探索ができる、と考えるべきなのかもしれない。もしもフリープレイが解禁されていたら、全体的にヌルゲーになっていただろう。そうなると、次の項目にも関わってくるのだが、このゲームの単調さと相まって、つまらないゲームになってしまったのかもしれない。メタル部屋が解禁されるのはゲームクリア後のほうがいいのではないか、というのと同じ理屈である。

 そして、さきほども言ってしまったのだが、このゲーム、内容は単調である。ビルドを組むところや道具の切り替えの判断などには頭を使うが、実戦でやることは限られている。ドラクエのコマンドひとつひとつに表現されている内容を、クリックで一つずつこなしていくような感覚である。コツコツ歩いて行って、敵にカーソルを合わせてピシピシ攻撃、やばそうなら戻ったり、道具を使ったり、回復するターンに当てたりして、ドロップや宝箱をクリックして、スキルを発動させて、・・・という感じだ。これがめんどくせえ所だし醍醐味でもあるのだが、ずぅぅーっと同じことをやっていかなければならないので、このゲームのひとつの限界ではあると思う。一つアドバイスできるなら、マップの大まかなトレジャーを回収できたなら完全クリアは目指さなくてもよい、ということである。あの、光点で表示される取りこぼしについては、大体がカスみたいなものなので無視して次に進んだ方が可処分快感時間的には望ましいと思う(一つのゲームで飽きずに楽しんでやれる総プレイ時間は限られているという前提に立って、どこまでそのポテンシャルを引き出せるかを考えた際、やらなくても構わないことには注力しないほうがよいと考えている)敵もいなくなった何もないダンジョンの端から端までポツポツ歩いて割り忘れたツボを壊しにいく時間があるなら、次の階に向かったほうがいい。

 また、ボス敵の無敵時間がうっとうしい。これについてはフォローの余地もない仕様なので、そういうものだと我慢するしかない。

 

最後に、当初は英語が分からなくて知らず、後になって発見した仕様である。

 ダブったマジック以上のレアリティのカードはルーンに変更できる。

 ルーン自体もアップグレードや売却が可能。

 鍵のかかった詠唱を除けば、敵の詠唱をクリックし続けることでキャンセルできる。