ゲーム批評ブログ

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3 Minute Heroesというゲーム

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 面白いゲームである。

 

概要

 タワーディフェンスとローグライトなデッキビルドを融合させたようなゲーム。Slay the Spire然とした厳格な単一の戦闘の小連続ではなく、もっとアバウトで大局的な3分間の総力戦を全12ラウンド行って完走を目指すゲームである。

 

評価点

 1.多様性と自由度が高く、新鮮なプレイ感覚を感じやすい。

 最初に20人のヒーローの中からメインヒーローを選ぶ。(メインヒーローごとにデッキが違い、アーキタイプが異なっている)また一緒に指定するサブヒーローもメインヒーローとは異なった形でデッキビルドに影響を与える。その二つが定まると、ある程度、プレイ戦略の方向性は決まってしまうのだが、ステージクリア後の報酬にて自由度やランダム性が高いのでプレイ感覚の鮮度が高まりやすいのだと思う。

(たとえば固定報酬の3枚カードのリワードがある。選択式のリワードでは、ヒーロー1枚の追加、既存カード1枚にユニーク効果を追加、ラウンド中の敵ドロップを一種類追加、のうちからひとつ選ぶことになる。それらも、ジェムというゲーム内リソースを消費してリロード可能であるが、そうしてヒーローの追加を選んだとすると、それによってカードプールが拡張され、そのヒーローが盤面で活躍し、特殊効果を起こすクエストを受注できる可能性が新たに生まれる。また、リロードに使うジェムを集めるスキームを持ったヒーローの優位性があったり、そこでジェムを使わない立ち回りを選んだり、といった戦略も考えられる。などなど、それぞれがさらに複合的に戦略や展開の多様性を増加させていく。いちいち語るとキリがない)

 

2.(上記のように多様性があるので)最適なプレイ戦略を探る過程が楽しめる。

 ハードモード10のクリアをひとつの目標とすると、それなりの計画や構築、シナジーを利用しなければ達成は難しい。そこで、このメインヒーローとサブで、こういう構築をすると強いのかな、と探っていくわけだが、同じ組み合わせでずっと試すのは、さすがに飽きる。というわけで、いろいろなヒーローの組み合わせを調べていくのだが、これが楽しい。今まで触っていなかったギミックや戦略、選択肢に意味を見出すことは、カードゲームにて新しいエキスパンションが発売されたときに一通りいじくりまわすときの感覚に近いと思う。そうして知ったことを、今までのヒーローたちと組み合わせることも純粋に楽しい。

 ヒーローというプレイアブルキャラクターの性能をノーリスクで底上げできる神の手=救済要素こそあるもののハードモードはそれさえも織込済みの難易度だと感じる。(そのボーナスもランダム3スロット形式で狙った効果で整えるのは難しい)

 一通り触ったあとで、備えるべき判断基準や攻略方法が多面的に提示されていることを知るだろう。どうやってダメージを与えるのか。デッキ枚数を増やすほど、引きが不安定になる背反性をどう考えるか。リワードヒーローで一枚差しして総合力を増すのはどのような場合なのか、ドロップリワードやコンボカードはヒーローを差し置いて選ぶほどの価値があるのか? などなど。

 このゲームの開発者は、非常に理知的で論理的な人間に違いない。最高に面白いゲームを作ってくれてありがとう、と言いたい。

 

俺はここでこのゲームを辞めた

 ハードモード10面をクリアして、一段落したな、と思ってやめた。このゲームに関する自分用攻略メモも大方完成したので、これ以上はやらなくてもいいかな、とも思っていた。

 サーカスモードは、時々遊んでいる。アリーナモードは、まだ本格的に遊んでいない。また、何かの折に触れてやるかもしれない。