ゲーム批評ブログ

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Darkest Dungeon というゲーム

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 文句なく面白いゲームである。ローグライトという名前はついているが、実際には探索・管理運営のストラテジーゲームであろう。

 ラディアントモードでプレイしていたが、物足りなさなど感じなかった。ゲームに対しては裸一貫でかかりっきりで取り組む所存のナイトメアな御仁以外なら、ラディアントモードでいいのではないかと思う。MODについては後述するが、とりあえずは何も無しでスタートしてしまってよいと思う。逆にいえば何も考えずにまずは始めてみるべきゲームである。

 

 ゲーム内容は、冒険者を雇って、スキルや武装を調整し、4人編隊でクエストを選んで派遣。報酬で施設の強化や冒険者のケアを行ってから次のクエストへ、という流れである。やることはシンプルで、それなのに面白いのがこのゲームのすごいところだと思う。

 このゲームの没入感はすごい。統一感というべきか、細かい作り込みや動き、音、明るさ、敵、ダンジョンや施設の雰囲気が、現実的には絶対に行きたくない場所に踏み込んでいる異界感をビシバシ感じさせる。これが、いい。プレイヤーの安全である愉悦を極限的に感じる。ただ遊んでいるだけで楽しく感じてしまう。

 難易度もちょうど良かった。リアルなカイロゲームだ。痛みや厳しさがあればこそ、報酬のありがたみ、成長が実感できる。だから最初は苦労する。なんとなく、こんな感じで良いのかしら、という程度の編成勘で、それらしく戦っていても簡単には事は運ばない。うまくいかない。毎度の戦闘でHPは切り刻まれ、ストレスや病気が蓄積され、施設のアンロックは進まず、全スキルの解放だってできやしない。ジリ貧の金欠になりケツが干上がりはじめてからようやく、どうすればこの悪循環を打破できるのだろうか、と考え始める。本当の戦いはそこからである。まず、ヒーローはノーコストで毎週補充されるのだから金策のために使い潰していいのだ、と開き直る。育成ゲームであるという、ある種のこだわりは捨て去る。そうして失敗してもいいや、と考えたからこそ効率的な戦い方などを試行錯誤していける。その知見の集積が、明確な役割をもった編成で当て推量ではない堅実な積み重ねを戦略的に行えるようにプレイヤーを成長させる。その結果、ひとつひとつの戦闘で敵一体の行動を一回減らせたなどの違いを体感できるようになる。この『少し』が大きな差となって返ってくる。あれだけ難攻不落に見えたダンジョンが隙間時間で踏破できるバイト感覚になる。金集め用に古物収集家を組み込んだりする。そこに快感があるのだと思う。このように困難ではあるが決して不可能ではないハードルのあんばいがちょうど良いゲームなのだ。

 

 MODも豊富である。クラススキンはもとより、システムの変更ができる物が沢山あることがありがたい。少し慣れてくると、もっと手早くプレイしたくなってくる。それに対して、ご安心くだしあ、と言わんばかりに高速化MODが十全に用意され、万人が適用して体験談がありふれている。無論、このゲームは普通に遊ぶだけでも十分面白いのだが、ここでシステム系MODに対する自分の考えを書いておく。

 いつ、どこで、どのMODを、なぜいれるか。

 最初は生の素材を味わってみるべきだと思う。本当のチュートリアルである。MODなし、wikiなし、ガイドなしで10週くらいまで独力で進めてみると、情報のネタバレを見る段階も楽しめると思うからだ。特にガイドは面白い。大局観は別にして、各論は人ごとに見解が違うので編成の方向性もふまえて読むのが楽しい。なるほど、こういう考え方もあるのだ、と分かると嬉しい。結局は根源的に、誰かと何かを分かち合いたいと思っているのかもしれない。

 そうして外部の情報を参考にしながら一通りプレイしていくと、偵察・移動・戦闘の見慣れた部分がもっさりしていて、少しだけナルハヤでヨロと感じはじめると思うので、そこで高速化MODを入れると時間あたりの楽しさが維持できるように思う。

 実際に使ってる高速化は以下の三種類である。

Faster Scouting   

Faster Combat  

Faster Walking

 

 これ以外にもシステム系のMODを色々と試してはみたものの、しっくりきて継続しているのは、以下の3点だけである。

 

Autosaving Journals (CoM Compatible!)  日誌を持ち帰らずとも自動保存する

Level Restrictions Removal      高レベルヒーローの派遣拒否機能削除

Larger Roster            宿舎の拡張

(宿舎拡張modは異常があってレベル2未満しか出なくなるらしく、Anti-grind & Larger Rosterというのを入れたほうが修正する手間がないように思われる)

 

 日誌はいつも捨てていて持ち帰るのが大変なので導入。

 レベル制限撤廃は、重用メンバーを交えてレベル1の短いクエストにサクッと行きたい時に行けないのがめんどかったので、入れました。まあ無いならないでいいMODかな、とは思う。

 宿舎拡張は、これをやらないと枠がきつすぎるので導入。良さげな奇癖をもった新人をとりあえずキープというムーブができないのは機会損失なので・・・

 

 インベントリの拡張系は、数回試してから止めた。便利ではあるが、やりすぎ感があった、というか、やらなくてもそれほど困らないし、元々意図されたバランスを壊しすぎている感が強かったので中止した。(単純にアイテム欄の見栄えが変になって気に入らなかった部分もある)

 個人的考えだが、全体的・長期的に俯瞰している制作者の意図で調整された仕様を部分的短期的な視野のプレイヤーが安易にいじると、結局は楽しさの総量が減って損をする可能性があると思う。インベントリ増加はそこにおもいっきし抵触しているように感じたのである。

 

 追加職業、敵、ダンジョンのMODはまだいじっていない。適当にぶち込みまくって、遊ぶのも面白そうである。