ゲーム批評ブログ

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Punch Club というゲーム

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 加藤純一さんのまとめ動画をきっかけにプレイしてみたゲームである。

 ※以下はノーマルモード前提の話である。

 面白かったけど、この面白さは一回限りのものだな、と後になって理解するような一期一会系のゲームだった。だから、真摯に、腐らず、諦めず、取り組む必要があるゲームであろう、と思う。青春とか人生そのものを煮詰めたようなゲームだった。

 まあ値段が高いわけではないし、BGMが全体的に良すぎるので、とりあえず、メインテーマの、テンテテ・テンテ・テンテンテ・テンテというのを聞いて、良いな、と思ったら買って後悔しないとは思う。バトルBGMのデデ・デデ・デデ・デデ・ドド!というイントロなどは、思わず口ずさんでしまうこと請合である。

 ゲーム内容について語ろう。

 このゲームは、過酷なタイムペナルティに抗うゲームである。敵は路上やリングの上にはいない。すべてはタイムペナルティとの戦いである。いつジムで、どのステータスを上げて、どこの戦いに照準を合わせるのか、そのためにお金と体調をどう整えておくのか、いっそバイトに専念して状況を打破すべきかなどの判断を行う、リソースを管理するゲームである。

 そのタイムペナルティとは、一日が終わると各々のステータスがレベル×0.9程度下がってしまう現象のことである。つまり、なにも鍛えずにいれば昨日よりも弱くなってしまうのだ。ステータスの下限値をロックするスキルもあるが、このゲームの終点まで行くつもりなら、そこは通過点でしかないので、あってもなくても本質的には影響しない。

 実際にやってみると分かるが難しいゲームである。まったく前に進んでいないような気分でバイトに出かけて、一日の終わりにステータスが下降し、試合には負けてケガが開き、ケガを治す金は出せないがコツコツとジムでパッドトレーニングを行って、家で寝て、食い物がないのでまたバイトに出かけて、やる気がない状態でも合間にトレーニングをしなければいけない。なぜなら、何もしなければ弱くなっていくだけだからだ。その繰り返しだ。こう書くと全く面白くなさそうだが、事実、まったく面白くない時間が長い。問題は、不意にーーーちょっとしたステータスのさじ加減か、スキルの取得でーーー相手を圧倒してノックアウトしてしまうことである。あれ、俺強いんじゃねえのか、という、この、ちょっとした全能感がやばいのだ。あの苦境を乗り越えてきたんだぜ、というスパイスが勝利を彩る。これが二回目のプレイや、タイムペナルティがないイージーモードだと、そうはいかないんだと思う。だから、艱難辛苦の先にある快感は何度も味わえるものではないのだな、と考えた次第である。人生とか青春みたいなものだ。そういう意味ではとてもリアルなゲームなのである。

 

 俺はノーマルモードで全クリ。次にイージーでギャングルートを回収。したのだが、イージーは面白くなかった。タイムペナルティがないのでステータス上げ放題な点で、最初はウヒャァァァと楽しめるのだが、敵無しでも次の試合にすぐにいけるわけではないので開催待ちで時間が余ってしょうがないのである。時間潰しで「ロイとつるむ」で24時間放置を連発していた。このテンポの悪さは無論、終わっているのだが、本質的に、タイムペナルティがないとレベルデザインが機能していない状態なので、ただの作業と同じになってしまって面白いわけがないのである。

 ハードモードは自分にあわせて敵が強くなるそうだが、とてもじゃないが、取り組む気が起きない、というのが正直なところである。

 

 ※万が一、パンチクラブをやる場合、知っておいても損にはならないこと。

ルーキーリーグで負けるペナルティはない。アルティメットリーグはケガする。

・序盤は肉のみを食べて、工事現場でバイトすることがほとんどだと思う。それで間違っていない。

・バスを使わないということは、時間経過を取る=ペナルティを受ける回数を増やす、ということなのだが、下がるステータスがないなら問題はない。

一旦、トレーニングをお休みしてバイトとスキルポイント獲得に励むのはアリ。

・虎の道のスタミナ上限が9になってしまうスキルはアンロックしないほうがいいと思う。どうせスピードは20くらいまで上げないとクリアできないからスピードを14くらいで維持するようなスキルは価値がないし、その先のコブラなんちゃらとかいうスキルも燃費と命中が悪くて食えた物じゃない。

・少なくとも虎の道で取得できるステ低下を付与するスキルは(仕様かどうかはわからないが)あまり機能していないように見えた。数秒で持続が切れるのだ。採用する価値がない。技でみるべきは命中率とダメージ、燃費の兼ね合いだと思う。

・バトルではダメージ収支ももちろん重要なのだが、エネルギーの相対的優位をとれるかどうかも意識する必要があると思う。すなわち、スタミナレベルが高い相手には、回避や反撃も含めて、総体としての燃費を良くしないと、こっちがノックダウンを連発して負ける確率が高まると考えているのだ。エネルギー切れでハマると、相手の攻撃でさらに枯渇して、手数は出せなくなるし、被ダメは増えるし、でいいことがない。逆に、エネルギーを余らせてもしょうがないので、上が取れているなら2ラウンド目で高出力技に切りかえて圧殺したほうがいい。

・命中率が高く、燃費が低い攻撃が優れていると思う。ダメージは二の次でいいように思う。というか、ダメージと燃費などを総合的に判断すると、スキルツリーの上方にある攻撃であれば優れている、というわけではないことが理解できる。